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2025.11.11 社員ブログ

事故ゼロを支える“車間距離”の見直し術

〜慣れた道・慣れた動作こそ、最大の盲点〜

 

「見えている」は「反応できる」とは限らない

交通事故の多くは「注意していたのに」「見ていたはずなのに」といった言葉で語られます。

これは、私たちドライバーにとっても決して他人事ではありません。
特に軽貨物の仕事は日常的な運転距離も長く、走り慣れたルートを繰り返す中で、

「予測」よりも「惰性」で走る癖がついてしまうことがあります。

 

その中で意識したいのが、“車間距離”という当たり前すぎるテーマ。
「分かっているよ」と思った方にこそ、改めて問い直してほしい安全の原点です。

 

 

経験年数とともに縮まりがちな「感覚の距離」

新人ドライバーは最初、緊張感から自然と車間距離を広めに取る傾向があります。

しかし、経験を積むにつれて「このくらいで大丈夫だろう」「前の車の動きは分かる」と、

無意識に距離を詰めがちになります。
実際、事故が起きた際に「まさかブレーキがそんなに早く踏まれるとは…」という声も少なくありません。

車間距離は「距離」ではなく「反応の余裕」です。


たとえば時速40kmでも、ブレーキを踏んでから完全に停止するまでには2025m以上かかると言われています。
信号待ちや交差点付近では、さらに後続車・横断歩行者・自転車の急な動きなども加わるため、

1秒分の車間」は命綱そのものです。

 

現場ドライバーが語る「ヒヤリ」の瞬間

ある北商のベテランドライバーは、こう語ります。

「いつもの納品ルートだったんですけど、急に前の車が停止して…。普段なら余裕で止まれる距離を取ってたつもりだったけど、配送に焦ってたのもあって、ヒヤッとしました。」

幸い、事故には至らなかったものの、彼はその日を境に「毎朝の出発前に“今日は一歩下がって運転するぞ”と心の中で宣言するようになった」といいます。

 

 

「慣れた道」こそ、事故の温床

事故や接触は、意外にも“いつも通り”の環境で起こります。
人間の脳は慣れた行動に対して「確認を省略する」習性があるため、少しの油断で注意力が下がります。

車間距離の再確認は、「気持ちのブレーキ」の役割も果たします。


・焦らず、
・詰めすぎず、
・相手の動きに“1テンポ遅れて”反応するつもりで。

その余裕こそが、結果として荷物も、会社も、自分自身の人生も守る手段になるのです。

 

今日の安全は、あなたのブレーキから始まる

物流業界にとって“事故ゼロ”は永遠の目標です。
それは特別な技術や機械だけでは達成できません。

日々の「意識の質」が積み重なって生まれる成果です。

 

あなたの今日の車間距離が、誰かの未来を守っているかもしれません。
だからこそ、ハンドルを握るその瞬間から、意識を一歩手前に置いていきましょう。