軽貨物ロジスティクス協会が警視庁と協力体制を構築したというニュースは、軽貨物業界が社会から求められている「信頼」と「責任」をあらためて考えるきっかけとなる出来事です。

2026年1月、軽貨物ロジスティクス協会は、警視庁より、テロ対策強化に向けた情報提供に関する協力依頼を受け、協力体制を構築したことを発表しました。業界団体として警視庁の取り組みに賛同し、日本の治安維持に向けて連携していく方針が示されています。
この協力体制では、協会員である配送ドライバー4,000人超のネットワークを活かし、軽貨物業界として社会的役割を果たしていくことが想定されています。日々の配送業務を通じて社会と接点を持つ軽貨物ドライバーだからこそ、治安・安全の観点でも果たせる役割がある、という考え方に基づく取り組みです。
なぜ今、軽貨物業界に「治安・安全」への意識が求められるのか
軽貨物配送は、住宅地やオフィス街、商業施設など、私たちの生活に極めて近い場所を日常的に行き交う仕事です。ドライバーは、地域や街の中で起きている小さな変化を、自然と目にする立場にあります。
警視庁との面談の中では、今回の協力依頼は軽貨物業界だけに向けられたものではないという説明がありました。今後は、物流業界全体、さらには電気・ガス・水道といったインフラ関連業界にも、同様の取り組みが広がっていく見込みとされています。
背景にあるのは、「身近なところに危険の火種がある」という認識です。社会情勢の変化に伴い、物流という仕事にも、単に荷物を運ぶだけでなく、安全や安心を意識した行動が求められる時代になっています。
警視庁が示している「気づき」の具体例
警視庁から軽貨物ロジスティクス協会を通じて配布された注意喚起資料では、日常業務の中で気づいてほしい「違和感」の例が示されています。
例えば、
- 薬品や火薬のようなにおいがする
- 金属音や工作音が聞こえる
- いつも対応する人物が突然変わった
- 荷物の重さや扱い方に違和感がある
- 居住者が独自に防犯カメラを設置している
- 生活感がなく、人の気配が感じられない
また、
- 事務所として使われているようだが、どの会社なのか分からない
- 室内から大きな声や異常な音が聞こえる
といったケースも、注意すべき兆候として挙げられています。

これらは、必ずしも犯罪やテロに直結するものではありません。しかし、「何かおかしい」と感じる小さな違和感が、結果として大きな事故や犯罪の未然防止につながる可能性があります。
求められているのは「判断」ではなく「共有」
警視庁が今回の協力体制で強調しているのは、正しいかどうかを現場で判断する必要はないという点です。
- 小さなことでも構わない
- 勘違いかもしれなくていい
- 判断は警察が行う
気づいたら、共有してほしい。
この考え方が、今回の協力依頼の根幹にあります。軽貨物ドライバー一人ひとりが、日常業務の延長線上で感じた違和感を共有することが、社会全体の安全につながっていくとされています。
軽貨物業界団体としての責任と姿勢
軽貨物ロジスティクス協会は、業界全体の健全な発展と社会的信頼の向上を目的に活動してきました。治安維持という公共性の高い分野において協力要請を受けたことは、業界団体としての役割が広がっていることを示しています。
これは、一部の企業や個人の取り組みではなく、業界全体として安全意識を高め、社会と向き合っていく姿勢の表れです。配送ドライバーのネットワークを、単なる労働力としてではなく、社会の一部として活かしていくという考え方が、この取り組みの根底にあります。
北商物流が大切にしている考え方
北商物流株式会社の代表は、軽貨物ロジスティクス協会の理事長を務めています。これは、業界全体の課題や責任と向き合う立場にあることを意味します。
北商物流では、これまでも日々の配送業務において「安全」「信頼」「誠実さ」を重視してきました。荷主企業や地域の方々、そして一緒に働くドライバーに対して、安心できる環境を提供することが、長く事業を続けていくうえで欠かせないと考えています。
今回の警視庁との協力体制は、特別な取り組みというよりも、そうした考え方の延長線上にあるものです。
これから軽貨物ドライバーを目指す方へ
軽貨物配送の仕事は、自由度が高い一方で、社会を支える責任のある仕事でもあります。北商物流では、安心して働ける環境づくりと、社会の一員としての意識を大切にしています。
「ただ稼ぐ」だけではなく、「社会に必要とされる仕事に関わりたい」と考える方にとって、軽貨物配送はやりがいのある仕事です。北商物流は、そうした価値観に共感できる方と、これからも共に歩んでいきたいと考えています。
監修:瀬戸口 敦
北商物流株式会社 代表取締役
軽貨物ロジスティクス協会理事長