2020年初頭から徐々に猛威を奮い始めた新型コロナウイルス、2022年8月現在でも日本国内では多くの感染者がおり未だ収束の見通しは立っていません。
このコロナ禍によっては私たちの生活様式は大きく変化しました。その1つに「宅配」があります。
今日は、コロナ禍で高まり続ける宅配需要とそれによる問題点について解説します。
目 次
コロナ禍でより一層求められるようになった宅配
「ネットで注文した荷物を自宅まで届けてくれる」、非常に便利なサービスです。
2020年から続く新型コロナの影響で宅配の荷物量が増加し続けています。2021年1月に国土交通省が発表した2020年11月分のトラック輸送情報によると宅配14社の取り扱う個数が前年同月比から10.4%も増加していることがわかっています。
なるべく人との接触を避け外出を控えるコロナ禍では、宅配の重要性は高まるばかりでコロナが収束してからもこの流れは続くことが予想されます。
置き配という新たな形
これまで宅配というと相手に直接荷物を手渡しするのが主流でしたが、人との非接触が推奨される中、届いた荷物を玄関先など指定の場所に置く「置き配」が誕生し宅配の形を大きく変えることになりました。
ただそれだけ盛況な反面、問題点も隠れています。
例えば、マンションなどの集合住宅で置き配をすることは荷物を手に取るまで盗難や紛失の恐れがありますし、そもそも家に入れるものを外に置いておくことに清潔面での抵抗を感じる人も少なくありません。
また荷物自体は問題なく届けられても急な雨などにより汚損したりすることもあります。
そうなれば、責任問題はどちらになるかなどややこしくなります。
しかし、置き配には感染症の観点や配達員の業務軽減などメリットも多いのが事実なので、メリットとデメリットを総合的に考えて最適解を見つけ出したいものです。
宅配の急増が生み出す問題点
フリマアプリでの買い物やネットスーパーなど様々な種類のある宅配ですが、宅配の需要の増加によって発生する問題点も無視出来ません。
まず一番は「人手不足」であり、求める人が増えると当然その業務をこなす人の数が足りなくなります。
つまり需要と供給のバランスが崩れているのです。
一部の宅配業者では人手不足をカバーするために、荷受け件数を制限するなどの対応をしておりギリギリの状態が続いています。
また、宅配ドライバー自身が新型コロナウイルスに感染してしまうというリスクと常に背中合わせであり、同じ会社やセンターで複数の感染者が出た場合、その対象エリア全体の荷物が滞ってしまいます。
宅配ドライバーが少ない中で感染症になり仕事ができなくなると利用者の生活は一気に変化します。
運送従事者は社会インフラの為、毎日配送しなければなりません。
事実、自宅療養者の方を含む多くの方に配送しています。
今注目されている宅配ボックスとは
このコロナ禍で一気に注目を浴びるようになったのが宅配ボックスです。
これは、その名の通り、宅配のためのボックスであり家に不在でも荷物専用のボックスに配達することができます。
置き配とは違い、周りの外的要因からも守られておりセキュリティ面で安心です。
実際、国土交通省の調査によると2020年の宅配便取扱実績数は前年度比11.9%増の48億3647万個で過去最高数を記録しています。
宅配ボックスは非常に便利なシステムであり、マンションなど不動産を選ぶ際に宅配ボックスの有無を優先順位にする人がここ最近多く、今後もどんどん広まることが予想されます。
また現在の住居に宅配ボックスがなくても別途購入したりする家庭も増えており、再配達の必要性がなくなり配達員不足が囁かれる宅配業界からしても救いの手になるかもしれません。
宅配ボックスの設置には一般的にボックス本体は3〜8万円、取り付け工事に2万円ほどかかるといわれています。
いろんな種類や大きさがあります。
まとめ
今日は、コロナ禍で高まり続ける宅配需要と問題点について解説しました。
利用者が増えればそれだけドライバーの人手不足が深刻化します。コロナが収束してからも人々はしばらく宅配を利用するでしょうし、これからの宅配事情が大きく変わることは間違いないでしょう。
その対策として、人材確保はもちろん、再配達や業務軽減のために置き配や宅配ボックスの他にコンビニ受け取りや配送ロボットなども実証実験がされています。
宅配業界としては、配送の様々な選択肢により少しでも負担を軽減できたらいいです。