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2025.9.26 軽貨物コラム

軽貨物 車両リースは「やめとけ」と言われるのはなぜ?独立前に知っておきたいトラブルと回避策

軽貨物ドライバーとして独立を考える際、最初の課題が車両の準備です。購入・レンタル・リースと選択肢はありますが、リースについては「やめとけ」「やめたほうがいい」との声が多く聞かれます。理由は、契約条件の厳しさや長期的な負担が想像以上に大きいためです。

 

今回は、リース契約で起こりやすいトラブルや落とし穴を整理し、レンタルや購入との違いを踏まえて、最適な車両準備の方法を考えます。

 

軽貨物-車両リースは「やめとけ」と言われるのはなぜ?独立前に知っておきたいトラブルと回避策

 

軽貨物配送の北商物流

北商物流株式会社は、2011年に東京都北区に代表取締役社長・瀬戸口敦が創業しました。社長の瀬戸口は業界団体の軽貨物ロジスティクス協会理事長も務め、常に業界のイノベーションと品質向上を牽引。ガイアの夜明けやNHK、新聞各紙にも取り上げられ、メディアから注目されています。ネットスーパーや企業配送、ルート配送、3PLなど幅広い軽貨物業務を展開し、稼働台数は1日150台超の規模で安定運営中です。

 

北商物流の採用特設サイトへ

北商物流では、個人事業主のドライバーと協力し、企業や個人宅への配送を行っています。異業種からの転職も歓迎、黒ナンバーの申請手続きのサポートも行っています。

 

その経験から提案したいのは、まずは3か月ほど、レンタルでお試ししてみることです。特に初めて軽貨物配送の仕事をする初心者ドライバーさんには、この方法がおすすめです。

 

弊社では、車両をどのように用意したらいいか悩んでいるドライバーさんには、「数か月間レンタルでお試しをしてみて、軽貨物配送の仕事を続ける自信がついてきたら、軽貨物車両のリース購入や車両購入などを検討するといいですよ」とお伝えしています。

 

この記事では、契約ドライバーさんから質問の多い項目を踏まえて詳しく解説します。

 

軽貨物業界 車両リースのトラブル頻発「やめとけ」といわれる理由

  • 月額費用は安く見えても、長期的には購入より割高になる
  • 契約に走行距離制限や修理費負担など厳しい条件がある
  • 中途解約が難しく、違約金で経済的に追い込まれる
  • 「メンテナンス込み」でも実際は対象外が多く追加費用が発生
  • 消費者センターなどに相談事例が多く報告されている

 

軽貨物車両のリースは、一見すると「初期投資が不要」「月額で計画的に支払いできる」といった魅力があります。しかし、現場のドライバーや消費者センターに寄せられる声を見てみると、実際には数多くのトラブルが発生しています。

 

リース期間の総支払額を把握してから契約を

まず代表的なのが総額負担の高さです。例えば、月額6〜7万円程度のリース契約を3年間続けると、総額は200万円を超えることもあります。一方で、中古車を購入して維持した場合には、車検や保険を含めても総額150万円前後に収まるケースがあり、長期的には購入の方が安く済むことが多いのです。「安く見える月額費用」が結果的に割高になるという典型例です。

 

リースの走行距離制限に要注意

次に挙げられるのが契約条件の厳しさです。リース会社によっては走行距離制限が設けられており、超過した場合には1kmごとに追加料金が発生します。軽貨物配送は日々の走行距離が長くなりがちで、この条件が現実的ではないことは明らかです。さらに、事故や故障が発生した場合、修理費用を全額ドライバーが負担しなければならない契約内容になっているケースもあります。特にドライバー歴が浅く、実際の業務イメージを持てない初心者は、言われるがままに契約をしてしまい、トラブルになるケースもあります。

 

中途解約が難しいリース契約

また、中途解約の難しさも大きなリスクです。独立開業後、思うように案件が獲得できない、また収入が安定しないときなどでも、契約上は毎月の支払いが発生します。途中で辞めたくても高額な違約金が請求されるため、リースが大きな足かせとなるのです。実際に「配送業をやめたいのに車両代の支払いで身動きが取れない」という声も珍しくありません。縛りのある数年間は必ず配送業務を行う覚悟が必要です。

 

契約内容が不透明なリース会社は避けて

さらに注意すべきは、契約内容の不透明さです。リース会社によっては「車両代+保険+メンテナンス込み」と宣伝しながら、実際にはタイヤやオイル交換といった基本的なメンテナンスが含まれていないこともあります。その結果、ドライバーは想定外の出費に悩まされることになります。国民生活センターにも、こうした誤解や説明不足による相談が寄せられており、業界全体で問題視されているのが現状です。

 

このように、軽貨物車両リースは「やめとけ」と言われるだけの理由が存在します。もちろん全てのリース契約が悪いわけではありませんが、十分な理解と下調べをしないまま契約に踏み切ると、取り返しのつかないトラブルにつながる可能性が高いのです。

 

参考:【事案 9】軽貨物配送契約の解約に関する紛争(4)(5)|国民生活センターADRの実施状況と結果概要について(平成 29 年度第 1 回)


参考:27.「独立開業で高収入?」軽貨物運送の代理店契約に関する相談が再び増加!-支払いできず、多重債務に陥るケースも-|平成22年度 独立行政法人国民生活センター 業務実績報告書

 

レンタル?リース?購入?軽貨物の車両準備

 

項目 内容
レンタル 短期利用向き、契約の縛りが少ないが長期だと割高
リース 初期費用を抑えられるが、長期契約で解約困難
購入 長期的に割安で資産になるが、初期費用の負担が大きい

 

軽貨物配送を始める際に必ず考えるのが「車両の準備方法」です。大きく分けるとレンタル、リース、購入の3つの方法がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあり、自分の働き方や収入の見込みによって適した選択肢は変わります。

 

レンタル・リース・購入、自分に合ったスタイルは?

レンタルは、契約期間の縛りが少なく、1日単位や数週間単位で借りられるケースも多いため、副業や短期間の仕事に適しています。万一仕事が続かなかった場合でもすぐに返却できる安心感があります。ただし長期利用では1か月あたりの費用が高く、年間単位で見るとリースや購入より割高になりやすい点がデメリットです。

 

リースは、まとまった資金がなくてもすぐに配送業を始められる点が魅力です。契約内容によっては税金や車検が込みになっており、手間を減らせる利点もあります。しかし、長期契約が前提となるため、収入が不安定になっても支払い義務は残ります。独立を「お試し」で始めたい人には不向きなケースが多いのが現実です。

 

最後に購入は、最初に大きな資金が必要ですが、長期的に見れば最もコストを抑えられる方法です。ローンを組んで購入すれば毎月の支払いはリースと同程度でも、最終的には車両が自分の資産として残ります。ただし、車検や修理といった維持管理の手間や費用は自己負担となるため、計画性が求められます。

 

レンタルとリースの違い(軽貨物車両 黒ナンバー)

軽貨物配送における車両準備では、レンタルとリースが混同されやすいのですが、仕組みや利用目的は大きく異なります。

レンタルとリースの主な違い

 

項目 レンタル リース
利用期間 短期が前提 長期契約が前提
初期費用 負担が少ない 負担は少ないが途中解約しにくい
費用総額 短期なら割安だが長期は高額 長期は割安だが、短期解約すると高額になる 
管理 業者任せでいいので簡単 基本的に自分で行うが車検や税込みプランがある場合もある
黒ナンバー対応 必須 必須

 

レンタル

レンタルは、必要な期間だけ借りられる柔軟性が特徴です。数日単位での契約も可能で、副業や短期集中の仕事に向いています。保険や整備も基本的に料金に含まれており、返却すれば追加の負担はありません。

 

ただし、1か月以上の長期利用を続けると割高になりやすく、年間換算ではリースや購入の方が多くのケースで安くなります

リース

一方でリースは、1年〜5年といった長期契約が基本です。契約内容によっては車検費用や自動車税が含まれており、管理の手間を省けるメリットがあります。

 

ただし契約中に配送の仕事を辞めても、解約金が高額であるため簡単には手放せません。「最初は軽く試したい」という人には不向きで、むしろ安定して続ける覚悟がある人向けの仕組みです。

軽貨物配送業務には黒ナンバーが必須

また、軽貨物配送業務に必須となるのが、黒ナンバー(事業用登録)です。申請は事業所又は自宅の所在地を管轄する運輸支局で行います。レンタル車を利用する場合でも、黒ナンバーに対応した業者を選ばなければ、法律違反となり罰則を受ける可能性があります

 

白ナンバーの車両に乗客を乗せて走るタクシー“白タク”は違法です。これは荷物を乗せた車の場合も同様です。人でも物でも、運んだことで金銭が発生する場合は、黒ナンバーが必須だと肝に銘じておきましょう。

 

一般レンタカーを使って配送を行うのは違法行為です。契約解除や行政処分に発展するケースもあるため、注意が必要です。

 

参照(東京都の場合):国土交通省 東京運輸支局

 

このように、レンタルとリースは似ているようで目的もリスクも異なります。配送を長く続ける予定があるのか、短期間で試したいのかを明確にしたうえで選ぶことが、自分にとって無理のない働き方につながります。

 

リースのメリットデメリット 黒ナンバー配送用車両

軽貨物車両のリースには、初期費用を抑えられるなどの利点がある一方、長期的な総額負担や契約の制約といったリスクも存在します。黒ナンバー対応かどうかを含め、実際の働き方に合わせて判断しなければ後悔につながりやすいのが実情です。

 

リースのメリット

  • 初期費用が少なく、資金がなくても独立できる
  • 車検や自動車税込みプランが多く、管理の手間を軽減できる
  • 契約終了時に新しい車両へ乗り換え可能
  • 維持費が月額で固定化され、経費計画が立てやすい
  • 毎月のリース費用を経費にできる
  • 新車や状態の良い車を使えるため、故障リスクを減らせる

 

軽貨物配送を始める際、リースはまとまった資金が不要で、管理の手間も少ない点が魅力です。特に初めて独立する人や、車両管理に慣れていない人にとっては、安心して事業をスタートできる仕組みといえます。

 

リースのデメリット

  • 長期的には購入より割高になりやすい
  • 途中解約が困難で、違約金が高額になる場合がある
  • 契約に走行距離制限が設けられていることが多い
  • 「メンテナンス込み」でも対象外が多く、追加費用が発生する
  • 黒ナンバー非対応の契約をすると違法営業となるリスクがある

 

便利に見えるリースですが、契約条件次第では大きな負担やリスクを抱える可能性があります。特に長期的に配送を続ける予定がある人や、安定収入を前提としない人にとっては、思わぬ落とし穴になりかねません。リース会社との契約前に必ず総額費用や条件を細かく確認することが重要です。併せて、配送業務の委託会社からの受注量や契約内容もよくチェックしましょう。

 

リース会社を選ぶ際のポイント

  • 契約内容の内訳(車両代・税金・保険・メンテナンス費用の有無)
  • 途中解約や違約金の条件が明記されているか
  • 走行距離制限や事故時の修理負担や免責など不利な条件がないか
  • 黒ナンバー対応の貨物車両を取り扱っているか
  • 口コミや過去のトラブル事例で信頼性を確認できるか

 

軽貨物配送用の車両をリースする場合、会社選びは契約後の安定性を大きく左右します。まず確認すべきは、契約内容の内訳です。「メンテナンス込み」と書かれていても、実際にはオイル交換やタイヤ代が対象外となるケースがあり、後から想定外の出費が発生することがあります

 

また、途中解約や違約金の条件も要チェックです。契約期間が3年〜5年と長く設定されている場合、収入が減って事業をやめたくなったり、体調不良で続けられなくなったりしても高額な違約金が発生し、経済的に追い込まれるリスクがあります。

 

さらに、走行距離制限や事故時の修理費負担といった条件も要注意。軽貨物ドライバーは長距離を走ることが多いため、距離制限付きの契約は不利になりやすい傾向にあります。事故に遭った際の修理費用を全額自己負担とされる契約も存在し、思わぬ負担につながります。

 

特に重要なのは、黒ナンバー対応かどうかです。事業用登録がされていない白ナンバー車両で配送を行うと、道路運送法違反となり罰則を受ける可能性があります。契約時に必ず黒ナンバー登録済みかを確認しなければなりません。

 

最後に、口コミやトラブル事例の確認も欠かせません。国民生活センターや消費者庁に寄せられた相談事例を調べることで、業者の信頼性を見極める材料になります。公式サイトの情報だけで判断せず、利用者の実体験を参考にすることが安全です。

 

このようにリース会社を選ぶ際には、目先の月額料金の安さだけに惑わされず、契約条件の透明性と黒ナンバー対応の有無を重視することが、後悔しないための最大のポイントとなります。

 

軽貨物車両 リース契約チェックリスト

 

リース会社との契約前に確認しておくべき項目をまとめました。NGに当てはまる項目が多い場合、契約は慎重に行うようにしましょう。

 

チェック項目 確認事項 チェック欄 OK NG
1 月額料金に含まれる項目 車両代・税金・保険・車検・メンテナンスなど、何が含まれているかを明確に確認する すべての内訳が書面で明示されている 「メンテナンス込み」とだけ説明され、詳細が不明瞭
2 黒ナンバー対応の有無 軽貨物配送は黒ナンバー登録が必須白ナンバー車両では違法営業になる 黒ナンバー登録済み車両であることを契約書に明記 白ナンバーで利用を勧める/登録は後でと説明される
3 契約期間と更新条件 契約年数や自動更新の有無を確認しないと、知らない間に延長されることがある 契約期間と更新条件が契約書に記載 更新条件が口頭説明のみで曖昧
4 途中解約と違約金 途中解約できるか、違約金がいくらかを事前に確認する 違約金の金額・計算方法が明示されている 途中解約は不可/違約金が「その時次第」とされている
5 走行距離制限と超過料金 配送業務は走行距離が長くなるため、制限が厳しいと不利になる 距離制限なし、または超過料金が明確に提示されている 制限が厳しい(月2,000kmなど)+超過料金が高額
6 事故・故障時の修理費負担 保険でカバーされる範囲と、自己負担となる部分を確認 保険や保証で大部分をカバー、自己負担は限定的 修理費用は全額自己負担
7 代車の有無 車両が故障した際の代車提供がなければ、仕事が止まってしまう 代車あり、条件も明確 代車なし/有料のみ
8 契約終了時の清算条件 返却時の傷や摩耗の基準が曖昧だと、高額な修繕費を請求される恐れがある 傷・摩耗の基準や請求条件が契約書に明記 基準がなく、返却後に業者の判断で高額請求
9 総額費用のシミュレーション 月額費用だけでなく、契約年数での総額+追加費用を見積もる 総額を計算して購入や他社と比較し、納得できる範囲 総額が購入より大幅に高いのに「月額は安い」と説明される
10 保険内容 対人・対物・車両保険の有無と補償額を確認する 対人・対物は無制限、車両保険も付帯 補償額が低い/車両保険が含まれていない
11 契約書の整合性 口頭説明と契約書内容に矛盾がないかを必ず照合する 口頭説明と契約書が一致 契約書に記載のない条件を口頭で説明している
12 会社の信頼性 口コミや過去の相談事例を調べ、信頼できる会社か確認する 悪評が少なく、利用者の評判もおおむね良い 消費者センターへの相談件数が多い/悪評が目立つ

 

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リース契約時の注意点

軽貨物車両のリース契約は、一度結ぶと長期間拘束されるため、契約前の確認が欠かせません。月額費用の安さに目を奪われず、総額費用や解約条件、黒ナンバー対応の有無を細かく確認することがトラブル回避につながります。

 

  • 月額費用だけでなく、総額負担をシミュレーションする
  • 途中解約時の違約金や残債精算条件を確認する
  • 契約に含まれるメンテナンスや保険の範囲を明確にする
  • 黒ナンバー登録済みかどうか必ずチェックする
  • 契約書を隅々まで読み、不明点は書面で確認する

 

リース契約は「手軽さ」が強調されがちですが、実際には解約金や制約条件が重くのしかかることがあります。例えば、月額6万円の契約を3年続ければ総額は216万円。中古車を購入するより高額になる可能性もあります。

 

知識がないまま、運送会社に言われるがままに契約したがために、ドライバーに不利な契約をしてしまいトラブルにつながるケースも残念ながら散見されます。契約書を読み飛ばさず、条件の一つ一つを確認してから判断することが不可欠です。

 

車両のローン購入も選択肢の一つ

リース以外の方法として、ローン購入も現実的な選択肢です。毎月の支払いはリースと同程度でも、契約が終われば車両は自分の資産として残ります。

ローン購入のメリット

  • 最終的に車両が資産として手元に残る
  • 契約終了後は支払いがなくなり、経済的負担が軽減される
  • 走行距離や使用条件の制限がない
  • 自分のペースで車両を改造・カスタマイズできる
  • 長期的に見るとリースより総額を抑えられる可能性が高い

 

例えば、中古車を150万円でローン購入し、5年で返済すれば、維持費を含めても総額はリース契約より低く抑えられる場合があります。もちろん、修理や車検費用は自己負担になりますが、「長く配送を続けたい」と考える人にとっては、ローン購入は堅実でリスクの少ない方法といえるでしょう。

 

リース契約の落とし穴

  • 「メンテナンス込み」でも消耗品や修理が対象外のケースがある
  • 契約終了時に高額な清算金を請求されることがある
  • 途中解約は原則不可で、残存費用を一括請求される場合がある
  • 黒ナンバー未対応の契約で違法営業になるリスクがある
  • 契約書の細かい条件を見落とすと後から不利な立場になる

 

リース契約は「定額で安心」「維持費込み」といったメリットが強調されますが、実際には思わぬ落とし穴があります。

“メンテナンス込み”に含まれる内容をよく確認して

よくあるのが、メンテナンス込みの契約なのに実際は一部の作業しか対象外だったというケースです。タイヤ交換やバッテリー交換は自己負担となり、年間で数万円の追加費用が発生することもあります。

 

また、契約終了時の清算金にも注意が必要です。返却時に車両の傷や摩耗を理由に高額な修繕費を請求される事例が報告されています。配送業は走行距離が長く、多少の傷は避けられませんが、それが不当に大きな請求につながる場合があります。

 

リース契約期間は仕事を辞めたとしても支払いが続く

さらに、途中解約の難しさは最大のリスクです。収入が減って事業をやめたくても、残存リース料を一括で支払うよう求められるケースがあります。軽い気持ちで契約をすると、数年にわたって支払いだけが残ることになりかねません。

 

そして最も重大なのは、黒ナンバー未対応のリース契約です。事業用登録されていない車両で配送を行うと、道路運送法違反で行政処分や罰則の対象になります。契約時に「黒ナンバーで利用可能か」を必ず確認しなければ、気づかぬうちに違法営業になってしまうのです。

 

リース契約の落とし穴は「契約書を十分に確認しない」ことから生じるケースが大半です。小さな文字で書かれている条件こそ、後に大きな負担につながります。契約前に納得できるまで説明を受け、書面で条件を残しておくことが、リスク回避のために欠かせません。

 

レンタルかリースか購入か。どれを選べばいい?

軽貨物ドライバーとして独立を考える際、車両の準備方法は最も重要な判断ポイントです。レンタル、リース、購入にはそれぞれに特徴があり、働き方や資金状況によって適した選択肢は異なります。短期で試すのか、長期で腰を据えるのかを見極めることが、後悔しないための大切な分かれ道になります。

 

レンタルとリースの費用比較

レンタルとリースは、短期か長期かで費用の有利不利が変わります。

例えば、レンタルで1日7,000円×20日稼働すれば月14万円。半年続ければ80万円を超えます。一方リースなら月6万円程度で、半年で36万円。短期間であればレンタルの方が柔軟ですが、半年以上続けるならリースや購入の方が費用面で有利です。

 

ただしリースは長期契約が前提のため、すぐにやめたい場合は違約金のリスクが残ります。「数か月だけ試す」ならレンタル、「数年以上続けるつもり」なら購入やリースを検討する、といった線引きが必要です。

 

軽貨物配送業務にかかる費用

軽貨物配送の仕事をするには、様々な費用がかかります。車両をどのように準備するかを考える際は、仕事の見込み量(収入)と総費用を計算し、マイナスにならないようにきちんと計算することが大切です。

 

項目 費用目安
開業届・税務関連の手続き・届出関連 1~3万円
車両購入・リース費用 購入 50~200万円

リース 5~10万円/月

黒ナンバー取得費用 数千円
税金 自動車税 5,000円程度/月

重量税 数千円/車検時

車検・メンテナンス費用 5~10万円程度/年
燃料費 3~7万円/月
保険 自賠責保険 1万円/年

任意保険 1~2万円/月

 

軽貨物車両 こんな人にはリースがおすすめ

  • 独立を考えているが初期費用を用意できない
  • 税金や車検など管理の手間を省きたい
  • 契約終了ごとに新しい車両に乗りたい
  • 収入が安定しており、数年間は続ける見込みがある

 

リースは「まとまった資金がなくても今すぐ始めたい」という人にとって魅力的な方法です。ただし、解約条件や総額費用を正しく理解したうえで利用することが欠かせません。

リースにも新車と中古車があります。予算や使用予定の年数に応じて検討しましょう。

軽貨物車両 こんな人には購入がおすすめ

  • 長期的に軽貨物ドライバーとして働く予定がある
  • 自分の資産として車両を持ちたい
  • 維持管理の手間や費用を自己管理できる
  • 毎月の支払いを最小限に抑えたい
  • 購入資金を用意できる、もしくはローンが組める

 

購入は初期費用の負担が大きいものの、長期的には最も割安で、車両が自分の資産として残ります。独立を腰を据えて続けたい人にとっては、堅実でリスクの少ない選択肢です。

初歩的なミス回避、黒ナンバー車両をレンタルしないと違法に

軽貨物配送では、黒ナンバー登録車両が必須です。一般的なレンタカー(白ナンバー)を借りて配送を行うのは違法で、罰則や契約解除につながります。実際に「アルバイト感覚で始めたら白ナンバー車両で契約してしまい、後で違法と判明した」という事例もあります。契約前に黒ナンバー対応かどうか必ず確認しましょう。

 

このように、レンタル・リース・購入にはそれぞれ一長一短があります。短期で試すならレンタル、長期で安定を目指すなら購入、初期費用を抑えて早く始めたいならリースといったように、自分の働き方や将来設計に合わせた選択をすることが、失敗しないための最重要ポイントです。

メリットデメリットを理解し、最適な選択を

軽貨物車両の準備には、レンタル、リース、購入といった複数の方法があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、どれが正解というものはありません。重要なのは、自分の働き方や資金計画に合った方法を選ぶことです。

 

リースは初期費用を抑えてすぐに独立できる一方、長期的な負担や解約リスクがあります。レンタルは短期や副業向きですが、長く続ければ割高になります。購入は初期費用が大きいものの、長期的に最も割安で資産として残せます。

 

結局のところ「気軽に始めたい」「長く安定して働きたい」など、自分のキャリアプランによって最適解は変わります。契約前に必ず条件を比較し、総額やリスクを理解した上で選択すれば、後悔のないスタートを切ることができるでしょう。

 

冒頭でもお伝えしましたが、まずは数か月間、軽貨物車両をレンタルで試し、この仕事を長期で続けられそうだと確信を得たり、車種やサイズを確認したりしてから、車両購入やリース契約を検討するように、おすすめしています。

 

北商物流では、軽貨物配送初心者のドライバーさんや、他業種からの転職の方々を広く受け入れています。保険や車両の準備など、心配ごとはつきもの。ドライバーさんのどんな小さな相談にも耳を傾けられるのが北商物流の強さの秘訣です。

 

車両についても一人で悩まずに購入や契約前に是非ご相談ください。

ドライバーさん・業務内容・車両の3点がしっかり揃ってこそ、個人事業主としての成功の確率は大きく上がります。

 

一緒に働いてみたいと思ってくださった方は、ぜひ、採用サイトもご覧ください。

 

北商物流では、約150名のドライバーがさまざまな現場で活躍しています。女性や異業種からの転職者も積極採用しています。

運送、物流業界に興味がある方、個人事業主として自由な働き方を希望している方は、ぜひご応募ください!

 

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編集・執筆:酒井安澄