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2023.11.13 軽貨物コラム

軽貨物業界の未来は安全?M&Aの専門家に聞く今から転職するために知っておきたい話

 

「軽貨物業界は稼げる」多くの人がそんな噂に興味を持ち、この業界のことを調べたり、転職を検討したりしていることでしょう。そんな疑問に対して、今回は北商物流の顧問を勤める松岡昇氏にインタビューを行いました。
松岡さんは、北商物流で顧問を勤める以前も、“プロ経営者”として、数多くの企業の役員や社長を歴任している方です。過去にはDHLサプライチェーンなど、大手物流企業の社長を勤めたこともあり、物流業界を知り尽くした人と言えます。

そんな松岡さんから見て、今の軽貨物業界にはどういったビジネスチャンスがあるのか、また北商物流はどういった点が魅力なのか、改めてインタビューの中で聞いていきます。

 

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 取締役 松岡 昇 氏

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 取締役 松岡 昇氏

 

軽貨物業界にあるチャンスとデメリットとは

 

ー最初に教えていただきたいのですが、松岡さんから見て、今の軽貨物業界はどんなビジネスチャンスがあると思いますか?

 

松岡さん
やはり、個人でビジネスを始めようと思ったときの参入障壁が低いことが、1番のチャンスだと思います。車両さえ用意できれば、すぐに始められるのはビジネスにおいてとても大きいです。また、自分で運んだ荷物の分だけ、利益が出るというのは、分かりやすく労働が対価に変換されますから、メリットと言えますね。

同時にデメリットもあります。それは、この業界の構造についてです。軽貨物ドライバーという職種は、荷主である発注元との距離がとても遠くなる傾向があります。
荷主とドライバーの間には、元請けや下請け、孫請けなど、いくつもの階層を経ていることが少なくありません。そしてドライバーとして下の階層の企業に属してしまうと、どんなに荷主が賃上げなどの改善を図っても、間に抜かれて恩恵が受け取れません。むしろ下層にいる軽貨物ドライバーは、送料無料などの荷主が行う企業努力のしわ寄せが来やすいと言えます。簡単に始められて利益が得やすいという部分に対し、所属する会社によっては意外と儲からないというのが、この業界の難しさと言えるでしょう。

 

ーでは、軽貨物ドライバーとしてこれから働く方や、転職を考える方には、ズバリ「オススメ」とは言えないということでしょうか?

 

松岡さん
会社次第でオススメとも言えますし、オススメできないとも言えます。これから企業を探す方は、しっかりと候補企業の内情を確認して選ぶべきです。
先程申し上げた通り、荷主と距離が遠い会社に所属するなら、それはオススメできません。また「1個いくらで運ぶ仕事」が、いわゆるラストワンマイルという軽貨物ドライバーの仕事と思われがちですが、運ぶだけでなく、設置やメンテナンスなどを同時に請け負っている会社であれば、配達で稼ぐだけでなく、別の技術(同時設置やメンテナンス)で利益を上乗せすることができます。
こうした案件を受けている企業を選ぶことで、ドライバーもより利益が得やすいですし、キャリアも積みやすいのではないかと思います。

 

 

ー北商物流でも、大手家電量販店の配送を請け負っていますが、そこでは配送だけでなく設置を請け負うことで、大きな利益を得ているドライバーが多数います。松岡さんがおっしゃる話もそういうことですか?

 

松岡さん

そうです。北商物流では、例えばテレビを運んだ後、テレビとネットを接続させたり、動画サービスの初期設定などをドライバーが請け負ったりするような契約を、ほぼ独占的に結んでいます。こうなってくると、荷物を1つ運んでいくらという次元の話ではなくなります。また大きな付加価値がつくことで、荷主側も安易に業者を変えることができなくなり、企業もドライバーも、より安定的に仕事を得ることにつながります。

 

ー今、「荷主が安易に業者を変えられなくなる」といった話がありました。そういった取り組みを会社と一丸となって行えることが、ドライバーが稼ぐという視点でも大事ということですね。

 

松岡さん

軽貨物ドライバーは「ラストワンマイル」と言われていますが、本当の意味でラストワンマイルを質高く担うことで、荷主が困るようなスキームが築かれることもあります。例えば、定期配送のドライバーさんは、その配送を請け負い続けることで、「あのお宅は常にあの場所に置き配」「この家は絶対に置き配はダメ」など、お客様の細かなニーズを把握できます。こうした無形財産が増えて配達の質が上がるほど、荷主に引き継げない情報が増え、荷主側が競争のために業者を変えたいと思っても、サービスの質低下につながるなどの理由で、配送業者を変えられないというジレンマに陥ります。

運び手であるドライバーの皆さんは、ご自身の誠実な取り組みが、巡り巡ってご自身に返ってくるということを知ってほしいですし、こうした取り組みを会社と一丸となってやれると、大きなアドバンテージになるという点を踏まえ、企業選びをしていただきたいです。

 

「2024年問題!」「4ナンバーの規制緩和」ドライバーへの影響は?

 

ー現在、業界内では「2024年問題」や「4ナンバーの規制緩和」などによってドライバーへどんな影響があるか、気にされている方も多いと言います。これから働く人達ももちろん気になる点だと思うので、松岡さんの見解を教えてください。

 

松岡さん

まず「2024年問題」については、業界の風通しという面では、徐々に良い影響へと繋がっていくと思います。とはいえ、その中で荷主のオーダーは川下であるドライバーへ影響が出やすいので、所属する会社によっては厳しい状況に晒されることは考えられます。

そうなった時重要になってくるのは、先程申し上げた通り、企業やドライバーとしてのユニークな売出しポイントです。こうした点がないと、買い叩かれたり荷主から配送業者を変えられたりしてしまうリスクが高まります。

4ナンバーの規制緩和については、意識の高い企業にとってはあまり大きな影響はないのではないかと思います。つまり、これも所属する企業次第な部分が大きいです。

 

ー少し読者の方に情報を補足すると、4ナンバーの規制緩和とは、2022年10月から行われているものです。今までは、貨物配送業へは「4ナンバー」と呼ばれる黒ナンバーの取得が必須でした。それが昨年の規制緩和により、小型乗用車である5ナンバーでも可能となったのです。

“軽貨物ドライバーになるには軽自動車を持っていれば始められる”といったルール変更により参入障壁が低くなったことで、今後はドライバー増加による利益確保の難しさや、配送の質低下が懸念されています。

 

松岡さん

規制緩和は、個人的には慎重にやってもらいたいなと思っています。軽貨物ドライバーに関しては、企業とドライバーが一丸となり、付加価値提供に努めていたり、配送の質といった部分にも着目した取り組みをしていたりすれば、結局規制緩和によって参入したドライバーには担えない部分になるので、あまり大きな影響はないと思っています。

 

なぜ北商物流がいい会社なのか

 

 

ーここまで、ドライバーを取り巻く状況について、長きに渡り業界を見てきた立場から、お話をうかがってきました。続いて、北商物流の顧問として、ドライバーとして働きたい方へ向けたお話を伺いたいと思います。まずは、業界の流れを知ったところで、ドライバーとして個人で何かやれる事はあるのでしょうか?

 

松岡さん

これは難しさがあるのですが、個人でドライバーとしての質を向上させようという取り組みは、非常に難しさがあります。その点を踏まえ、「会社とドライバーが一丸となって改善に取り組める企業」を選び、努力を重ねることがまず重要になります。

 

ではどういった会社を選ぶべきかと言うと、一言で言えば「ラストワンマイルを担う自覚をきちんと持っている会社であること」です。具体的には、設置などの付加価値提供に力を注いでいるとか、荷主との直契約を模索しているとか、得意な分野や地域を持っている、荷主に直接物申せるような関係を築こうと努力している会社です。

こうした会社で仕事をしていれば、要求水準は高いかもしれませんが、ドライバーとして稼ぐ仕組みを用意していたり、またスキルアップの機会があったりします。

 

ー北商物流は、これらのお話を踏まえると非常に当てはまるというのが、松岡さんの見解でよろしいでしょうか?

 

松岡さん

そうですね。私は顧問という立場なので、ひいき目に見ていると読者の方から思われるかもしれませんが、北商物流は「ただ運ぶだけの仕事はしない」という明確なビジョンを持ちながら、自社としての価値向上と合わせ、ドライバーさんの付加価値提供のための機会など、様々な取り組みを行っています。

また余談かもしれませんが、北商物流の社長は軽貨物ロジスティクス協会の会長(2023年6月ー)にもなり、業界の発展を目指している点からも、非常に評価できると思っています。

 

正直、軽貨物配送業者の多くは、今も「配達だけ」をやっています。だからこそ、転職希望者は絶えませんし、配達以外をやっている優良な企業で働くドライバーは、仕事のうまみを知っていますから、あまり情報を外に出しません。もちろん自身も転職などはしません。

就職や転職を考える方は、こうした事情があることを踏まえ、会社選定時にはきちんと対象企業がどういった案件を受けているのか、どのくらい稼げるのかを聞き、精査していくことが重要ではないでしょうか。

 

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【本日お話をうかがった人】

松岡昇(まつおか のぼる)
株式会社アップヒル代表取締役、M&Aキャピタルパートナーズ株式会社取締役、一般社団法人軽貨物ロジスティック協会顧問。30歳代半ばで就任した外資系企業の日本法人代表を皮切りに、東証1部上場企業(現東証プライム)やグローバル企業の日本代表、アジア地区責任者などを歴任。経営トップを務めた企業は20社以上を数える。買収後の事業統合(Post Merger Integration)では国内トップクラスの実績を誇る。現在は経営改革、事業構造改革、企業文化構築など「プロ経営者」としての経験を生かしたビジネスアドバイザーとして様々な企業の経営支援を行っている。