前編では、家電配送業務における信頼を得るための大まかなポイントを考えてきましたが、後編ではさらに細かい配慮や会社組織として抑えておくべきことを紹介していこうと思います。
近年では家電リサイクル法により、業者によって取り扱える品目にも制限があり、これらをクリアしなければ家電配送の需要は大きく落ち込みかねません。
業者によって取り扱える品目にも制限があります。
これらをクリアしなければ家電配送の需要は大きく落ち込みかねません。
では、具体的にどうすればいいのか。
目 次
白物家電やテレビ等の設置にかかる家電リサイクル法
家電配送の主な業務では、家庭への設置や不用品の回収が含まれます。
しかし、現在ではほとんどの品目が家電リサイクル法による対象品目になっていることが多いです。
言い換えると、これらを扱えなければ設置や回収といった業務そのものを請け負うことが出来ません。
家電リサイクル法とは、簡単にいうと、廃棄物を減らして資源の有効利用を目的とした家電製品のリサイクルに関する法律で、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機、エアコンの4種目がリサイクルの対象になっています。
これらについて家電小売業者に回収を、家電メーカーにはリサイクルを、個人の方にはそれに係る費用の負担を義務付けました。
認可を受けるための時間や労力は必要ですが、自社で家電配送を取り扱うのであれば、まずは対象品目を取り扱うことが可能な組織体制を構築して、維持していくことが求められます。
家電リサイクル法は、2001年に施行されて以降、2004年に冷凍庫が追加されるなど、2023年に至るまで同法に対する見直し評価も行われています。
当然、企業努力は求められますが、今後はエコやリサイクルに関わる法整備に対応する順応性も必要だといえるでしょう。
現場単位でのアフターフォローで信頼を得る
前編でも紹介しましたが、実際に家電配送で接する機会がもっとも多いのはやはり個人のお客様です。
元々、家電製品に詳しい人もいるかもしれませんが、基本的にはそうではないと思っておきましょう。
特に、昨今の高齢化社会という流れなど、ご年配の方は家電製品に対して苦手意識を持っていたり、説明を聞くだけで頭痛がしたりと丁寧なフォローが欠かせません。あなたの祖父母を見たらそれがわかると思います。
スマートフォンの使い方にさえ苦戦している様子を見たことがあるでしょう。
家電配送は、1つの家電を運んで終わりという時代ではありません。
最近では、テレビと無線インターネットなどの外部機器の連携やスマートフォンとの接続、BlueToothの接続、その他サブスクリプション系サービスとの設定など若い人でも混乱するほど便利な上、複雑化しています。
高齢者にとっては非常に難しいものであり、一人では理解が出来ない部分が多いです。
こういった細かい部分をしっかりと対処できる環境・体制をつくること、それが現場単位での信頼度の獲得につながります。
例えば、高齢になると人は内向性が高まり、記憶力や学習力が低下するといわれています。さらに視力よりも耳で覚えることが困難になります。
そのため、より理解してもらうためには言葉を並べて耳で学習してもらうよりもイラストなど目で学んでもらう方が彼らにとっては楽だったりもするのです。
弊社でも設置現場において、他の家電との設定や紐付け等もサービス内容として提供出来る体制を維持しており、お客様が不安に感じる部分については丁寧な説明を心がけています。
また、万が一のトラブルや質問に応対する専用サポートを開設した上で、追加でのアフターフォローまで一貫して行っております。
しっかりとした説明、手厚いアフターサポートがあれば、家電製品に詳しくない高齢者の方でも安心できます。
現場での対応は元請けである家電量販店にも伝わりますから、しっかりとした営業基盤を作り上げる根本は会社にも現場にも存在しているということです。
顧客満足度を上げて業務の安定化を
今回は前編、後編に分けて「家電配送」をテーマに軽貨物配送の現状や将来性への取り組みについてまとめてみました。
どんどん進むエコ社会、今の時代の流れに沿って業務を提供できればより良い評価をいただけることでしょう。
今後の家電配送において顧客満足度を上げていくために、各取り組みをしっかりと強化していく組織体制を作り上げていきませんか?