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2022.4.28 軽貨物コラム

送料無料問題から変わる今後の配送の形

楽天グループは「楽天市場」の出店者に対して、一定額以上の購入で送料を無料にする取り組みを行いました。

 

このネットショッピングの送料無料問題ですが、利用者の立場だけでなく出品者や配送者の立場にもなって物事を考えていく必要があります。

 

送料無料というワードは非常に威力が強く、購入者にとってみれば購入する決め手になるかもしれません。

 

しかし、今後はその配送の形が変わっていく可能性があります。

 

 

もはや標準化された「送料無料」という選択肢

あなたはネットショッピングなどでものを購入する際、何を基準に決めますか?

 

もちろん、その商品の値段や品質、いつ届くか、探しているものはあるかなどいろいろな要素がありますが、その中の1つに「送料」に関わるものがあると思います。

 

楽天やAmazonなど大手ネットショッピングサイトでも、多くの商品が「送料無料」「送料込み」など送る際のお金がかからないようになっており、利用者からすると非常にお得です。

 

ただ、もちろん送料無料というのは完全に無料というわけではなく、それが商品の値段に入っていたり、安く配達している人がいたりなどそれなりの理由があるのは明白です。

 

この送料無料という選択が今の時代、デフォルトになっており送料が別だと注文しないという利用者の方も少なくないでしょう。

 

 

楽天への独占禁止法違反の可能性

先に述べた楽天の送料無料に対して、優越的地位の濫用に当たる可能性があるとして独占禁止法違反になると判断されたのを知っていますか?

 

この出来事の背景を簡単にご説明します。

 

ことの経緯は、2020年3月に楽天グループ株式会社が運営するオンラインショッピングサイト「楽天市場」にて、商品を売る出品者に対して「共通の送料込みライン」への参加をしなければ不利な取り扱いを行うなどを示唆し、参加を半ば強制させたことです。

 

この行為が独占禁止法で禁止するものという疑いがあり、当時、大きな話題になりました。

 

実際の送料無料の内容は、原則として税込3,980円以上の商品を掲載するにあたり「送料無料」と自動的に表示するものであり、この出来事により楽天は改善措置を公取案に申請しました。

 

出品者は送料を負担することで必然的に利益が減りますし、逆に送料を商品代金に上乗せすると利用者にとっては高く感じます。

 

その結果、客離れにつながるかもしれません。

 

 

 

今後、配送の形が大きく変わるかも

送料無料を実現するために負担を被るのは、例えば、安く配達をしている外部の配達員の方たちです。

 

再配達があったり、残業があったり、仕事内容が多かったりと、かなり過酷な労働環境で働かされておりその負担は想像以上に大きいです。

 

最近では、彼らのことを考えても今後の配送の形というのは変化していくべきという考えが浸透してきています。

 

これは軽貨物業界にとっても非常に良い動きだと思います。

 

また、最新のテクノロジーを駆使した配送も誕生することが予想されており、例えば、自動運転を利用したものやドローンを使ったものです。

 

実際、ヤマト運輸では「ロボネコヤマト」という車内に保管ボックスを設置したハイテクサービスがあったり、楽天は「そら楽」というドローン物流サービスを開発しています。

 

 

Amazonでは置き配も選択可能に

そして、Amazonでは対面で荷物を受け取る必要のない「置き配」も利用できるようになりました。

 

以前から実証実験を行っていましたが、東京、大阪、愛知など大都市を中心に(順次拡大中)置き配サービスを選択できるようになっており、玄関先やガレージ、自転車のカゴ、ガスメーターボックスなどに荷物を配達してくれます。

 

対面でのやり取りがないので、不在中や在宅勤務で忙しい時、感染症対策などあらゆる理由で対面でのやり取りができない場合に非常に便利です。

 

実際に、荷物が届くと写真付きで配送完了の連絡が来て、確認をします。

 

万が一、荷物が配送完了になっているにも関わらず届いていない場合などはAmazonの補償があるので安心して利用できます。

 

置き配が再配達のリスクを軽減することにつながるでしょう。

 

そもそも興味深いことに、ヨーロッパなど海外では再配達というものがあまり一般的ではなく、不在の場合は近くのお店やピックアップ用の施設に預けられ自ら取りに行くというのが普通です。

 

今後は、日本でも送料無料というものが一般的ではなくなり、様々な配送の種類が生まれるかもしれません。

 

そうすることで軽貨物ドライバーなど配達員の業務的負担が減り、仕事をしやすい環境になるでしょう。

 

軽貨物業界など配達員の業務は過酷でブラックなどといわれますが、それはこの送料無料問題や再配達などが関連しており、今よりも少しでも働きやすい環境になればどんどん軽貨物業界への転職も活発になるはずです。

 

今後の社会の動きに注目が集まります。

 

 

 

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