楽天グループは「楽天市場」の出店者に対して、一定額以上の購入で送料を無料にする取り組みを行いました。
このネットショッピングの送料無料問題ですが、利用者の立場だけでなく出品者や配送者の立場にもなって物事を考えていく必要があります。
送料無料というワードは非常に威力が強く、購入者にとってみれば購入する決め手になるかもしれません。
でも、今後はその配送の形が変わっていく可能性があります。
目 次
もはや標準化された「送料無料」という選択肢
あなたはネットショッピングなどでものを購入する際、何を基準に決めますか?
もちろんその商品の値段や品質、いつ届くか、探しているものはあるかなどいろいろありますが、その中の1つに「送料」に関わるものがあると思います。
楽天やAmazonなど大手ネットショッピングサイトでも、多くの商品が「送料無料」「送料込み」など送る際のお金がかからないようになっており、利用者からすると非常にお得です。
ただもちろん送料無料というのは完全に無料というわけではなく、それが商品の値段に入っていたり、安く配達している人がいたりなどそれなりの理由があるのは明白です。
この送料無料という選択が今の時代、デフォルトになっており送料が別だと注文しないという利用者の方も少なくないでしょう。
楽天への独占禁止法違反の可能性
先に述べた楽天の送料無料に対して、優越的地位の濫用に当たる可能性があるとして独占禁止法違反になると判断されたのを知っていますか。
これによって楽天は改善措置を公取案に申請しました。
今後の配送の形が大きく変わるかも
送料無料を実現するために負担を被るのは、例えば、安く配達をしている外部の配送員の方たちです。
再配達があったり、残業があったり、仕事内容が多かったりと、かなり過酷な労働環境で働かされておりその負担は想像以上に大きいです。
最近では、彼らのことを考えても今後の配送の形というのは変化していくべきという考えが浸透してきています。
Amazonの配達に関する実験
Amazonが配達員の負担を減らすために置き配を標準的な配送方法にする実験を行っています。
置き配というのは受取人の在宅・不在に関わらず指定の場所に商品を置いて配達を完了するもので、これをすることで再配達の必要性がなくなります。
また対面で接触しないので新型コロナなど感染症のリスクが軽減されます。
他にも、自宅まで受け渡しであれば送料を有料にして、ドアノブにかけると無料にするなど様々な形で実験が行われており、今後の配送の形というのが大きく変わるかもしれません。
実はヨーロッパなどでは再配達というものがあまり一般的ではなく、不在の場合は近くのお店やピックアップ用の施設に預けられ自ら取りに行くというのが普通です。
今後は、日本でも送料無料というものが一般的ではなくなり、様々な配送の種類が生まれるかもしれません。
「送料無料」はなぜできる?送料無料のからくりとその負担を被る人